仕事・金・家族 2
「ニケタってなんだ。
……一億、二億、いや一〇億台のことか」「えっ!」、絶句したまま、男たちの席は浮かれた様子の隣の座の熱気にあてられて、ますます意気が上がらない。
「あいつら、どこの国の話をしているのか」この一年ほど、経済の先行きに対する見通しが短期間に目まぐるしく変わって、国民を一喜一憂させたことも珍しい。
(一)まず原油の値下がり、一次産品の下落、そして円高基調で加速された円高デフレのトリプルパンチで日本経済はデフレに向かうかどうか。
(二)次に、不気味に都心から始まった地価の上昇が都心だけにとどまるのかあるいは地方に波及するのか、で判断が分かれた。
東京の国際化、金融都市化、インテリジェントビル化などの需要が都市部の地価高騰の理由だとまことしやかに説明されたが、結局、金余り・過剰融資が地価高騰の最大の原因だったようだ。
(三)そして、天井知らずの株価、地価の高騰の中で、アメリカの双子の赤字を理由に大恐慌がくるかどうか、でまた判断が分かれている。
ニューヨークの株価急落であわや、と世界中がヒヤリとしたが、現在程度の小康状態でこのまま収まるか。
本当に、経済はまさに「生き物」ですからね。なかなか状況を読むのも大変です。